高周波誘電加熱の応用例
樹脂の種類や可塑剤の種類・量の違いによる損失係数の違い
誘電加熱により単位体積中に発生される熱量Pは、
P=0.556(εtanδ)f E2×10-12W/cm2
ε=物質の誘電率 tanδ=物質の誘電体力率
f =高周波電界の周波数(Hz) E=電界の強度{電極間電圧}(V/cm)
誘電率や誘電体力率は物質に固定の値でなく周波数・温度などにより変化します。また、塩化ビニールに充填される可塑剤の種類や量によっても変化します。(図7-2-2)は、DBP(ジブチルフタレート)、および、TCP(トリクレジルホスフェート)の充填量(%)によって、損失係数(εtanδ)×100がどのように変化するかを、3種類の周波数で測定したものです。DBPを可塑剤に用いる場合は充填量の増加に伴い損失係数は急速に増加し、その増加は周波数が高いほど急激であることがわかります。これに対してTCPを用いる場合の増加はDBPに比べて問題とならない程度です。
ただし、可塑剤の充填量は各樹脂メーカーにより異なり、その配合は公開されていないので、正確な損失係数は個々に測定するしかないのが現状です。
図7-2-2/可塑剤の充填量と損失係数
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