所要マイクロ波電力の算出法
2.所要マイクロ波電力の算出(前ページより続く)
(5) 含水率について
被加熱物に含まれる水分量は、一般的には含水率(%)で示されることが多い。含水率の表示には、湿基準Kw(%)と乾基準Kd(%)の2通りがあり、前者は被加熱物の絶乾重量W(kg)と含有水分量M(kg)の和(全重量)に対する含有水分量M(kg)の割合を示し、後者は絶乾重量W(kg)に対する含有水分量M(kg)の割合で表わされる。即ち、湿基準は(21.2.3)式で、乾基準は(21.2.4)式の通りとなり、それぞれの含水率の関係は(21.2.5)式、(21.2.6)式の通りとなる。
湿基準Kw=[M/(M+W)]×100(%) ・・・・・(21.2.3)
乾基準Kd=(M/W)×100(%) ・・・・・(21.2.4)
Kw=kd/(1+kd)×100(%) ・・・・・(21.2.5)
Kd=kw/(1-kw)×100(%) ・・・・・(21.2.6)
ここで、kw=Kw/100
kd=Kd/100
である(Kw,Kdは%表示、kw,kdはKw,Kdの百分の一の値である)。
従って,含水率が湿基準か乾基準かによって計算結果も変わってくる。一般に木材、繊維、布、紙などの含水率は乾基準で表わすことが多く、これ以外では湿基準の利用が多いと思われる。この湿基準及び乾基準の取扱いを誤ると所要マイクロ波電力に影響を及ぼすので注意が必要である。即ち、湿基準の含水率50(%)は乾基準の含水率100(%)に相当し、乾基準50(%)の場合の湿基準の含水率は33(%)に相当する。尚、含水率10(%)以下となればそれぞれの値の差も小さくなり問題にならないことが多い。
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