マイクロ波加熱の応用例
具体的応用例と装置例 医療関係業界 ハイパーサーミア/ジアルテルミ-、医療用廃棄物の乾燥・溶融・減容

医療関係業界

(1) ハイパーサーミア/ジアルテルミ-

図19.3.36 ジアルテルミー

マイクロ波加熱を利用した治療装置例として「ハイパーサーミア、ジアルテルミ-」と称する商品名の装置がある。前者はマイクロ波加熱により腫瘍などの患部を凝固して除去したり、ガンの温熱療法などに用いられる。装置の処置使用例としては

出力:10~235W/kg。周波数:433MHz、
42.5℃程度まで加熱(30~40分照射)

と紹介されている。

後者は関節疾患であるリューマチなどの温熱療法に利用しており、図19.3.36は概観を示し、仕様例は下記の通りである。

発振出力:100W、周波数;2450MHz、
照射距離:5~20cm、照射時間:10~15分

(2) 医療用廃棄物の乾燥・溶融・減容

病院などから出る"医療用廃棄物"は、180℃にて滅菌処理をしてゴミとして出すことになっているが、血液バッグ、人工透析用フィルタ-、注射器などの水分の乾燥を促進して、減容するためマイクロ波加熱を利用している例がある。

尚、生ゴミなどの水分蒸発或いは焼却して減容する場合、マイクロ波加熱を利用した装置があるが、設備価格、ランニングコスト、取り扱い性(火を扱うこと)、処理後の焼却灰の廃棄(回収業者に依頼せざるをえない)などを考慮すると、どこまで導入されるか疑問がある。