マイクロ波照射部
各種マイクロ波照射の概要 箱形オ-ブン式(マイクロ波オ-ブン)

箱形オ-ブンの最も代表的な例は家庭用の電子レンジであり、マイクロ波オ-ブンと言われることもある。通常、“チンをする”と言えば電子レンジを利用し食品を加熱することを意味している(当初の電子レンジは、加熱時間のタイマーがタイムアップするとベルを叩き“チン”と鳴らして処理終了を知らせていたため、このような文言が生まれた。最近は電子音に代わっている)。図12.2.1にバッチ式とコンベヤ式の箱形オ-ブンの概念図を示しており、両方式共比較的大形のブロック状被加熱物を加熱対象として用いられている。

図12.2.1 (a) に示すバッチ式オ-ブンは、電子レンジをイメージすれば良いが、被加熱物出し入れ用扉が設けられた箱形オーブンにマイクロ波発振機が接続導波管を介して接続されている。オーブンのマイクロ波給電口の近傍にマイクロ波の電界を攪拌するスタラファン、オーブン底部には被加熱物を回転するターンテーブルが設けられている場合が多い。このタイプは多量の被加熱物を長時間かけて加熱処理するのに適しているが、欠点としては被加熱物を出し入れする手間が面倒なことである。

一方、図12.2.1 (b) のコンベヤ式オ-ブンは、被加熱物をベルトコンベヤにて搬送しながら加熱処理するものである。バッチ式オーブンを基本に、オーブンの両側に開口部を設け被加熱物搬送用コンベヤを設置する。オーブンの開口部よりはマイクロ波が漏洩するため、電波吸収体や金属ノレンなどを利用した漏洩マイクロ波エネルギーを吸収するマイクロ波トラップを設けて、作業エリアにおいて安全を確保するようになっている。

スタラファン(スターラと称する場合もある)は、金属製羽根を回転させてマイクロ波オーブン内部のマイクロ波エネルギーを攪拌するものであり、ターンテーブルと共に被加熱物の均一加熱をより向上させるための手段の一つである。

(a)バッチ式オーブン

(b)コンベヤ式オーブン

図12.2.1 バッチ式とコンベヤ式の箱形オ-ブンの概念図

図12.2.2 (a) にローラ・コンベヤを利用したダブル照射室式マイクロ波加熱装置を、(b) にスクリュー式マイクロ波加熱装置の外観をそれぞれ示している。尚、スクリュー式加熱装置は、スラリー状被加熱物を連続的に搬送しながら加熱し、乾燥・固化処理する場合に利用されることが多い。

(a)ローラ・コンベヤ形加熱装置

(b)スクリュー式加熱装置

図12.2.2 マイクロ波加熱装置の外観