マイクロ波加熱
配向分極(誘電分極)、誘電加熱、永久双極子、電力半減深度などを説明してきたが、では実際の加熱方法について従来方法との違い記述する。加熱方法と言っても我々が日々利用しているであろうガスレンジ及び電子レンジをイメージしていただければ良い。
図6.4.1 に、被加熱物を加熱する場合の従来のガスレンジを利用した外部加熱方法と、電子レンジの内部加熱方法を示している。図6.4.1 (a) に示す外部加熱方法は、ガスの火炎により鍋を加熱し、鍋が温度上昇すると水が加熱され、水の中にある被加熱物が加熱されることになる。この間の熱の移動は、伝導・対流・輻射に依存している。
電子レンジの概略構造を図6.4.1(b)に示している。電子レンジは外部加熱方法の熱源であるガスに代ってマイクロ波エネルギーを発生させるマグネトロンがあり、発生したマイクロ波エネルギーを被加熱物に照射するマイクロ波オーブン部、被加熱物の均一加熱を向上させるターンテーブルなどから成っており、従来の外部加熱での伝導・対流・輻射は存在しない。
尚、電子レンジの構成部材の詳細については以後順次説明する。
(a) 外部加熱方法
(b) 外部加熱方法
マイクロ波オーブン内の被加熱物を構成している永久双極子は、図6.4.2 に示されているようにマイクロ波エネルギーにより、1秒間に24億5000万回振動させられている。その結果、永久双極子は誘電加熱の原理(配向分極)により発熱し、その結果被加熱物が加熱されることになる。
この加熱原理を家庭向けに用いたのが電子レンジであり、産業に適用したのが工業用加熱装置となる。
図6.4.2 マイクロ波と永久双極子の動き
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