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  • 日本ハイパーサーミア学会

ハイパーサーミア(がん温熱治療)の原理
がん細胞の「熱に弱い」特性を利用し、
病巣を的確に加温する治療法

ハイパーサーミア(がん温熱治療)とは、がん組織のある局所を30~60分、42~43℃以上に加温します。温熱による作用だけではなく、放射線療法や化学療法の効果を高めるとともに、免疫療法などとも併用することができます。

■がん組織は正常組織に比べて熱感受性が高い

一般にがん組織内は正常組織に比べてpHが低く、低pH下の細胞は熱感受性が高いことが認められています。

■がん組織は加温時に温度上昇しやすい

がん組織は加温に対して血流がほとんど増加しないか、逆に低下します。血流による冷却作用がないため温度が容易に上昇するのです。

■温熱は放射線の効果を増強する

放射線療法は毛細血管周辺の酸素分圧の高い部分に有効ですが、血管から遠い低酸素部分では効果が低下します。ハイパーサーミアでは、血管から遠いところほど温度が上昇しやすいため、放射線効果と温熱効果が互いに補い合うことが考えられます。

■温熱は多くの化学療法剤の効果を増強する

温熱によりがん組織の細胞内に多くの薬剤が取り込まれ、抗腫瘍効果が増強されることが確認されています。

種々の温度に加温した場合の正常組織(皮膚・筋肉)とがん組織の血流の変化

種々の温度に加温した場合の
正常組織(皮膚・筋肉)とがん組織の血流の変化
※Chang W. Song, ph. D.