がん組織は正常組織に比べて熱感受性が高い。がん組織は加温時に温度上昇しやすい。他の療法との併用が、より効果的です。放射線療法は毛細血管周辺の酸素分圧の高い部分に有効ですが、血管から遠い低酸素部分では効果が低下します。ハイパーサーミアでは、血管から遠いところほど温度が上昇しやすく、互いの効果を補い合うことが考えられます。温熱は放射線の効果を増強する臨床データが豊富温熱によりがん組織の細胞内に多くの薬剤が取り込まれ、抗腫瘍効果が増強されることが確認されています。温熱は多くの化学療法の効果を増強する正常組織(皮膚・筋肉)は血管に収縮・拡張する機能が備わっているので、加温に対して血管を拡張させて血流を増やして熱を逃がすことができます。しかし、がん組織は血管を収縮・拡張する機能が備わっていないため、加温に対して血流がほとんど増加しないか逆に低下。熱を逃がすことができないため、温度が容易に上昇するのです。ハイパーサーミア(がん温熱療法)の歴史はとても古く、19世紀まで遡ります。細菌への感染等によって高熱を経験した後に、以前からあった肉腫が消失・縮小するといった症例が相次いだことから、「がん細胞は熱に弱い」という知見が経験的に知られてきました。これを応用したのがハイパーサーミアです。がん組織のある局所を30~60分、42~43℃以上に加温。がん組織内は正常組織に比べてpHが低く、低pH下の細胞は熱感受性が高いので、温まりやすく、温度に耐えられず死滅していくのです。ハイパーサーミアの原理ハイパーサーミアの効果長年にわたる研究開発により、サーモトロン-RF8 GR editionは、AMラジオとFMラジオで用いる周波数の間に相当する、身体加温に最適な8MHz RF波(高周波)を採用しています。身体の表裏に一対の電極をセットし、8MHzの高周波を与えるキャパシティブ方式※により、身体内部に高周波電流が流れ、そのジュール熱により患部の温度を上昇させる仕組みです。※ 相対向する平板電極の間に加温する部位を介在させる方式種々の温度に加温した場合の正常組織(皮膚・筋肉)とがん組織の血流の変化併用治療で効果アップがん温熱療法ハイパーサーミア化学療法(抗がん剤治療)手術放射線治療免疫療法加温後の細胞の生存率血液の変化11109876543213839404142434445464748(℃)※Chang Won Song, ph.D温度(30~40分間加熱)皮膚筋肉がん組織1.0010020030040050060041.5℃42℃42.5℃43℃43.5℃44℃44.5℃45.5℃46.5℃700(分)※Dewey, W, C., et al.10-110-210-310-410-5生存加温時間06
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